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乳剤(EC)

乳剤(Emulsifiable concentrate、EC)は、今も世界中で最も多くの農薬が採用している処方タイプの1つです。ECを噴霧器タンク内で水で希釈すると、自然にエマルションを形成します(滴のサイズ 0.1~1.0 μm)。

この自発的なエマルションを可能にするには、有効成分を含む溶媒系を水中で乳化することができる界面活性剤を、1つまたは複数選択します。水-溶媒の界面に水溶性と油溶性の界面活性成分がバランスよく行き渡ることで、物理的に安定したエマルションが形成されます。希釈後のエマルションを噴霧すれば、有効成分を均一かつ正確に作物の表面に散布できます。これは効果的な病害虫コントロールに必要不可欠です。

EC formulation diagram

 

乳剤(EC)の4つのメリット

  • 製造が簡単
  • 生物活性が比較的高い
  • 化学安定性が良好である
  • 希釈すると自然にエマルションを形成する

 

乳剤(EC)の4つのデメリット

  • 溶剤は有害な揮発性有機化合物(VOC)を含み、高価である
  • 溶剤は噴霧器のプラスチックやゴムに影響を与える可能性がある
  • 有効成分は広い温度範囲で溶解する必要がある
  • 水混和性の溶剤を使うと、希釈時に有効成分が結晶することがある

Formulator’s Toolbox(完全版)

The Formulator's Toolbox
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乳剤(EC)向けの推奨製品

非イオン性乳化剤の役割は、乳剤(EC)を噴霧器タンクで水で希釈する際に油分を乳化させることです。立体的安定性を与えて処方の安定性を向上させます。非イオン性界面活性剤はしばしば極性が低いものと高いものを2つ1組で使用して、油相に必要とする極性のバランスをとります。

Atlas™ G-5002L

Atlas™ G-5002L

長期の安定性を保証する、液状の高HLB高分子乳化剤/濡れ剤です。乳化剤用途にはAtlox™ 4916、または分散剤用途にはAtlox Metasperse 500Lと通常併せて用います。

Tween™ 22

Tween™ 22

ビルトインにもタンクミックスにも処方可能な高HLB乳化剤/アジュバントです。Tween 20に比べて平衡表面張力が大幅に低下しているため、優れた散布後の保持性と濡れ性が得られます。Atlas G-5002L、Atlox 4838Bと組み合わせて高HLBのTriangle Screening法に使用可能です。

Tween™ 23

Tween™ 23

ビルトインにもタンクミックスにも処方可能な高HLB乳化剤/アジュバントです。各種の親水性除草剤において性能向上が認められています。

Tween™ 24

Tween™ 24

ビルトインにもタンクミックスにも処方可能な高HLB乳化剤/アジュバントです。オールラウンドの性能を持つ効果的なアジュバントであり、またマイクロエマルションでは低HLB乳化剤と併せて用いる戦略的乳化剤です。

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