油性懸濁剤(OD)
油性懸濁剤(Oil dispersion 、OD) は固体の有効成分を油に分散した製剤です。パラフィン系溶剤から芳香族系溶剤、植物油、メチル化シードオイルまで、さまざまな種類の油を使用できます。有効成分は油相に均一に懸濁するのが理想的です。
油性懸濁剤(OD)は、スルホニル尿素などの感水性の有効成分に好適な剤型ですが、それ以外の有効成分にも使われています。担体の油がしばしばアジュバントとしても機能するので、散布後の保持性、拡展性、葉への浸透性に優れているのがその理由です。
油性懸濁剤(OD)の4つのメリット
- 加水分解に不安定な有効成分に最適で、液剤としての処方を可能にする
- 連続油相がビルトインタイプのアジュバントとして機能する
- 油性アジュバントは浸透力と散布後の保持力を向上させる
- 保存剤が不要(無水)
油性懸濁剤(OD)の2つのデメリット
- 水分散性のものに比べて沈降しやすい
- 製剤化が難しい
油性懸濁剤(OD)向けの推奨製品
噴霧器タンク内で水で希釈した後の安定性を改善するために、水系分散剤を用いることがあります。有効成分が水に不溶である場合や、長時間懸濁させておく必要があるときなどに、水系分散剤で固体粒子の凝集を防ぎ、全体的な安定性を向上させることができます。
Atlox Metasperse™ 550S
Atlox™ 4915
ODを散布前に稀釈する際、連続油相を水で乳化させるための乳化剤が必要です。乳化剤は自発的なエマルション形成を促すものを選択します。乳化剤の性能は主に界面活性剤としての性質と、油-水界面でどんな配列を形成するかによって決まります。
Atlas™ G-1086
非水系分散剤は有効成分を連続油相に分散させ、長期の安定性を提供します。ODの固体粒子は凝集しやすく、そのため粒子径が拡大して製剤が不安定になりがちです。これを防止するには高分子分散剤の使用を強くお勧めします。
Atlox™ 4916
Atlox™ 4914
Atlox™ LP-1
レオロジー調整剤はOD製剤に不可欠な構成物です。製剤が効果的に安定化されていないと、固体の有効成分は沈降して硬い層を形成し、再分散を妨げることがあります。沈降を抑制する一般的な方法は、レオロジー調整剤を使って連続相の粘度を高めることです。